貴方はあの世に何を持っていきたいですか？

何年か前、、、いつごろだったでしょうか、番宣番組(番組の宣伝のために日曜の昼下がりにやっている番組)の中で、インタビューアがタイトルの質問を一般人(と思われる人)にしていたんです。(と思われる)と書いたのは、ヤラセあって欲しくないという気持ちからなんですけど。…最近のテレビを見ているとどうも穿った見方をしてしまって。。。良質な番組が殆どないですからね。




答えていたのは3人くらいでしたか。



「貴方が亡くなったとき、もし天国に何かひとつ持っていけるとしたら、何を持っていきたいですか？」


一人目はお年を召した女性でしたか、答えは即答で「お金！」ww

笑ってしまいました。地獄の沙汰も金次第とはいいますから、もし地獄に逝くおつもりなら正しい答えかもしれませんね(笑)。苦しみを少しでも和らげるために、閻魔様のお沙汰にたんまりと袖の下を使ってください。でも、天国に行くのにお財布は必要ありませんよね？



別の方は「家族の写真」と。なるほど、そうですね。是非棺桶に入れてもらいたいです。愛する人がいて、子供がいて、孫がいて。。。でも、独りで写っていたらちょっと寂しいかな。笑




最後の1人はお年を召した男性でした。


答えは「花束」 …







どうしてだと思います？












「久しぶりに妻に会うから」





お二人がご一緒だったときの仲の良さが窺われます。すごくかっこいい。



こんな世の中ですから、きちんと自分で覚悟をして(周りの覚悟もできて)逝けるというのは、ある意味幸せなことのかもしれません。突然、花束を準備する前にあの世に連れて行かれてしまったり、あるいはそれに気付くことすらできなかったり。。。


あちらで先人に叱られてしまったりしたら切ないですよね。

「まだ来るなよ」…とかww



「よく来た！待ってたぞｗ」って言われたいですよね？



これまで日常が日常だったころには、死というものに対しての感情が希薄で、近しい人の死がない限り大切な人のことを心の底から、もしその人がいなくなったらどうしようとまで思いやる心を持とうとする機会がなかったり、自分の死について考える－どういう死を迎えるのか、迎えたいのか考える－こともなかったでしょう。

翻ってこの大災害のあと、誰もが周りと自分の死について考え、襟を正し、自己の生き方を見つめ、出来ることを考え、近い人、遠い人のことを知り合いであろうがなかろうが心から思い遣る、、、ことができているんでしょうか？


ここを訪れてくださる方はもちろん、そうなさっている方はたくさんいらっしゃると思います。

日頃からそのようなことを考えている人というのは、非常時であってもあわてず、自分がすべきことができるのだと思います。被災者でもないのに不必要に買いだめをしたり、職務を放棄してまで自分だけの安全を求めたり、また、被災者だからといって人のものを奪ったり、等しく貴いものを傷つけたりと、人の道を外れたことはしないと思うのです。

次第に整いつつある支援物資の輸送が被災地に行き渡って、苦しい生活をしている方にひとときの安らぎがもたらされれば、また、その様子を目の当たりにして日本全体が安堵の息をつければ、そのような悲しい行為をしてしまうことは少なくなるかもしれません。私のできることといえば精々がんばって働いて稼いで義援金を送り、祈り、無駄なものは遣わず、買わず、倹しく暮らすことぐらい。


それなのに。


突然、現実になって降りかかった死、、そう、死の津波に押し寄せられて、まともな感覚をどこかに流されてしまったのでしょうか。地震の揺れで普段はそとがわに見せることができる心の一部が零れ落ちて割れてしまったのでしょうか。人を思い遣るという人間として一番大切な部分が。


でも、実際にエゴが出てしまった。。。自分さえよければいいと思ってしまう。。。


その姿を天国のあの人に見せられますか？いつの日か、胸を張って花束を脇に抱えて会いに逝けますか？




私は幸いにも被災者ではありませんから、考えの甘さはあると思います。自分が帰る家を失ったら、さらには大切な人を失ったら、果たして冷静に行動できるかはわかりません。考えているからといってそのように行動できるとは限りませんから。それだけの極限状態なんだと思います。日本全体が。


それでも、それでも、私はいつも心に花束を持っていたいと思います。枯れてしおれてしまった花ではなく、豪華でなくていいので季節の野原に咲いているような花を花束にして。いつどんなことが起こったとしても、歩むべき方向にまっすぐ歩いていけるように。




そして、あともう一つ、どうしても持っていきたいものがあるんですけどだめですかね…





「お酒」


あちらで自分が飲みたいからではありませんよ？笑



色々美味しいお酒はありますが、やはり焼酎ですかね。ビールも捨てがたいですけど。グラスは2つ。でも、その頃にはもっとたくさんいるかも。こちらでは絶対に叶わない乾杯をしてみたいです。



でもこれじゃ"ひとつ"の条件に当てはまらなくなってしまいますね。困ったな。生来の欲張り癖がこんなところにまでww


どんな感じなんですかね。そう思うと死ぬのもそれほど嫌なことではなかったり。。。でもそのためには、死ぬ前に"こっち"でまだまだたくさんやるべきことをきちんとやり遂げないといけません。今だと、間違いなくお金を持って逝かなきゃならん羽目になりそうです。 この震災で死ななかった、、、まだ生かしてもらっているわけですから、本当に生きたかった人、困っている人のためにできる限りのことをしたいと思うのです。



そして、いろいろあって、まあできるならあと半世紀ぐらい生きたあと(欲張り過ぎかw)、晴れ晴れとした気持ちで逝きたいですね。


でも、いつも心に花束を。

いつも心に焼酎を。

それ、単なるアル中ですねww






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